206日記

2002年8月

熱狂的ファン

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2002年8月3日(土)

壊れた〜〜壊れた〜〜データベースが壊れた〜〜復旧に夜の11時までかかった〜〜〜。

しかし、私はうろたえなかった。何時までかかろうと大丈夫。この夜、私は最初から家に帰るつもりはなかった。トラブルを解決した私は、会社の近くの銭湯で汗を流した後、206を西へと走らせた。目的地は兵庫県宝塚市だ。東名阪から名阪国道を経由するルートを通り、途中、亀山PAで1時間と天理PAで3時間仮眠をとる。朝7時ごろ天理を出発して西名阪に入り近畿道と中国道を経る。土曜の朝、この時間帯は名古屋ならばスイスイ走れるというのに大阪の高速道路は早くも渋滞していた。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作『指輪物語』を読み直しているうちに、もう一度映画のほうも見たくなった。しかし、3月封切りの映画をいまでも上映している映画館はない・・・と思いつつもYahoo! Japanで検索してみると、あるじゃないですか、東京と宝塚に。残念ながら私の住んでいる名古屋周辺にはない。う〜む、ちょっと遠い・・・ていうかかなり遠いがいってみよう!

てなわけで、ただ映画を観るためだけに宝塚まで出かけたのだった。東京ではなく宝塚にしたのは、東京方面は自分にとってあまりなじみがないからだ。目標の映画館は阪急売布(めふ)神社駅前のピピアめふ5階にあるシネピピアだ。前日の夜に名古屋を出発したのは、なんとか10時半からの初回の上映に間に合いたかったからだ。なぜ、初回をターゲットにしたのかというと、初回は日本語吹き替え版が上映されるからだ。最近の洋画は、字幕と吹替えの両方が上映されることが多い。『ロード・オブ・ザ・リング』も両方が上映されたが、私は字幕版しか観ていなかったのだ。

ところで、『ロード・オブ・ザ・リング』は一部のファンの間では字幕より吹替えのほうが原作の雰囲気をよく伝えているとの評価がある。とりわけ熱狂的なファンは、原作をよく知らずに訳されたと思われる日本語字幕にお冠のご様子で、字幕の翻訳に抗議するHPを立ち上げたりするほどだ。彼らの運動が実を結んだのかどうか知らないが、10月発売のDVDでは日本語字幕が大幅に見直されるらしい。確かに字幕を追っていくと、原作との訳語のちがいや世界観との矛盾に、あれ? と思わせる箇所がいくつかあった。だが、そんなにめくじらたてるほどか? といっても吹替え版を観賞したことのない私には彼らの主張が正しいかどうかなんてわからない。本当に吹替えのほうが原作の雰囲気に忠実なのだろうか。

9時ごろ現地に到着した。とりあえず時間までぶらぶらして過ごす。たどりつくまで、ピピアめふ周辺は商業地区だろと勝手に想像していたが、とんでもない。実に閑静な住宅街だった。

映画が始まった。吹替え版の『ロード・オブ・ザ・リング』は確かに原作にちかい訳語が使われており、世界観や登場人物の人間関係を補足するようなセリフ(英語のセリフにはない)が挿入されていた。しかし、私にいわせればそれは些細な相違でしかない。それよりも私は泣いた。字幕版を観たときと同様に泣いた。あまりに重大な使命を背負う主人公たち、恐るべき敵の妨害、癒しがたい喪失、それでもなお前進しなければならない孤独・・・ああ、何度観てもこれには涙せずにはいられない。すっかり感情移入してしまった私は、流れる熱い液体を頬に感じながら劇場の暗闇に感謝した・・・ぐすん(;_;)

映画や小説を本当にたのしむコツは感情移入にあると思う。魂を登場人物と同化させて物語の世界を駆けめぐるのだ。重箱の隅をつつくように字幕をチェックしているような連中は、本当に『ロード・オブ・ザ・リング』をたのしんだのだろうか・・・そんな彼らを、ある意味あわれに思いつつ、DVDの字幕はどんな風に変わっているのだろうかと半分楽しみにしていたりもする。ま、俺もあわれな熱狂的ファンってことかな・・・わざわざ宝塚まで映画を観にきたりするしな、わはははは。

その日の午後、宝塚で見かけられた青いプジョー206は、慣れない土地でさんざん迷った挙句、ようやく高速道路に乗って東へと去っていった。車内には途中で買った『ロード・オブ・ザ・リング』のサントラが流れていたことを知る人は、たぶんいない。

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やっぱいいわ

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2002年8月25日(日)

先週の日曜から車検のために206をディーラーにあずけていた。仕事へは車で通勤しているけど、うちには親父のシビックがあるし、電車で通えないこともないので代車は頼まなかった。

親父のシビックはAT車で、久しぶりに運転してみると、思わずATの安楽さに浸ってしまう。だが、なにか物足りない。発進してポンポンポーンとシフトアップしていくATが、回転を引っ張り気味に加速する自分の運転スタイルとあっていないのだ。それに、シビックに搭載されているVTECエンジンはカタログの数値では高回転域で130馬力のパワーが出るはずだが、ATがそこまで回させてくれない。なんとももったいない話である。自分のようなドライバーがこの車に乗りつづけているとストレスたまるよ、きっと。

車検から戻ってきた206を運転すると、その「軽さ」に改めて驚かされる。高回転までストレスなく回るエンジン、軽快なハンドリング、しなやかな足回り・・・「猫足」などと称してつまらない幻想をいだくのは好きじゃないが、うん、やっぱいいわ、206は。

さて、それでは早速、1週間ぶりの206を堪能するためにあそこへ行こう・・・えっ? あそこってどこだって? あそこですよ、あそこ、もうわかってるでしょ。お・く・や・は・ぎ

でも、今回は「走り」を楽しむのは二の次にして、駐車場の木蔭に車を停めて、アーサー・C・クラークのSF小説を読んでいたのだった。

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